生成AIへのWebアクセスが前年比70%増。Similarwebの2026年データから見るAI検索時代の企業サイト運営

Similarwebが公開した2026年のAI検索統計では、生成AIサービスへの月間Web訪問が前年比70%増の95億回に拡大。ChatGPT・Gemini・Claudeの利用変化、AIから企業サイトへの流入、引用率、検索行動の変化から、中小企業が今後整えるべき企業サイトの情報を解説します。

今回のニュースを3行で

  • 生成AIサービスへの月間Web訪問は前年比70%増の約95億回まで拡大
  • ChatGPTだけでなくGemini・Claudeも大きく伸び、AI利用が複数サービスへ分散
  • AIから企業を知り、最終的に公式サイトを確認するユーザー行動も増えている

Similarwebが発表した2026年のAI検索データ

Similarwebによると、2025年6月から2026年5月までの期間における生成AIプラットフォームへの世界の月間Web訪問数は、前年比70%増の約95億回となりました。

ユニーク訪問者数も前年比57%増の約6億5,500万人となっています。ここで重要なのは、訪問数の伸びが利用者数の伸びを上回っている点です。

新しくAIを使い始める人が増えているだけでなく、すでにAIを利用している人が、以前より頻繁にChatGPTやGeminiなどを使うようになっていることがうかがえます。AIが一時的に試すツールではなく、日常的な情報収集の入口になりつつあることを示すデータです。

70%増:生成AIプラットフォームへの月間Web訪問数・前年比。約95億回:生成AIプラットフォームへの月間Web訪問数。約6.55億人:月間ユニーク訪問者。出典はSimilarweb「AI Search Stats 2026: Market Share, Referral, and Citation Data」です。

ChatGPTだけではなく、Gemini・Claudeへ利用が広がっている

今回のデータでもう一つ重要なのが、利用するAIサービスの分散です。Similarwebの世界Webトラフィックデータでは、ChatGPTが生成AIサイトへの訪問に占める割合は、2025年6月の約76%から、2026年5月には約53%まで低下しました。

一方、Geminiは約9%未満から約27〜28%、Claudeは約2%から約9%までシェアを伸ばしています。これは「ChatGPTの利用者が急激に減った」という意味ではありません。

生成AI市場全体が拡大する中で、GeminiやClaudeなどを使う人が増え、ユーザーが複数のAIサービスを使い分ける状態へ変わってきたと考える方が適切です。企業サイト側から見ると、ChatGPTだけを確認していればよい状況ではなくなっています。

Google AI Overview、AI Mode、Gemini、ChatGPT、Claudeなど、それぞれのAIが企業情報をどう理解しているかを見る必要があります。

AIから企業サイトへ移動するとき、「トップページ」が重要になっている

Similarwebは、ChatGPTからWebサイトへの流入についても興味深い変化を報告しています。ChatGPTが回答内でブランド名をクリックできる形に変更した後、ChatGPTからの流入のうち、企業のトップページへ移動する割合が大きく増加しました。

2026年5月のデータでは、ChatGPTからの参照トラフィックの約6割が、個別の記事ではなくトップページへ向かう状態になっています。

従来の検索では、「知りたいことを検索し、その答えが書かれた記事を見て、会社を知る」という流れが一般的でした。AI検索では、「AIに相談し、AIの回答の中で会社やサービスを知り、その会社がどんな会社なのか公式サイトで確認する」という流れが生まれています。

つまり、AIの回答が「情報を探す場所」であり、企業サイトは「最終確認をする場所」という役割を持つケースが増えていると考えられます。

中小企業のサイトでは、トップページの役割をもう一度見直したい

AIから会社名を知って訪問するユーザーは、すでにある程度その会社について説明を受けた状態でサイトを訪れる可能性があります。その場合、トップページで重要になるのは、単にサービス名を並べることではありません。

何をしている会社なのか、誰を対象としているのか、どの地域に対応しているのか、どのような相談ができるのか、他社と何が違うのか、どのような実績があるのか、誰が運営しているのか、どこから問い合わせればよいのかを短時間で確認できる状態が重要です。

個別の記事を増やすだけではなく、会社そのものを理解できるページを整えることも、AI検索時代のサイト運営では重要になってきます。

AIによる「引用」も増えている

Similarwebでは、ChatGPTの回答に外部ソースへの引用が含まれる割合についても調査しています。米国のChatGPTにおいて、引用が表示されたプロンプトの割合は、2025年6月の約1.6%から、2026年5月には約6.8%まで増加しています。

まだすべてのAI回答で引用が行われているわけではありませんが、約11カ月で4倍以上になっています。また、業種によっても差があります。Similarwebの調査では、旅行・宿泊は約23%、自動車は約20%、Professional Servicesは4%未満となっています。

旅行や自動車のように、施設・商品・料金・条件など比較できる具体的な情報を扱う分野では、引用される割合が比較的高い傾向があります。ここからも、AIに対して企業名を覚えてもらうことだけを考えるのではなく、AIが回答を作る際に参照できる具体的な情報を企業サイトに持つことが重要だと考えられます。

検索する言葉そのものも長くなっている

Similarwebは、AI検索の普及とともに検索クエリが長く、会話に近い形へ変化していることも指摘しています。従来であれば、「横浜 不動産 売却」「福岡 老人ホーム」「製造業 採用」のように、ユーザー自身がキーワードを組み合わせて検索していました。

しかしAIでは、「横浜で親から相続した家を売りたい。古い家なので、そのまま売るか解体してから売るか相談できる会社は?」「福岡市内で、母が入居できる老人ホームを探している。医療対応があり、家族が通いやすいところを比較して」といった、背景や条件まで含めた質問ができます。

AI側が質問の意味を理解し、複数の条件を整理して候補を提示するためです。企業サイト側も、単一のキーワードだけではなく、誰が、どのような状況で、何に困っていて、何を比較して、最終的に何を決めたいのかまで考えて情報を設計する必要があります。

この変化が中小企業のサイト運営に与える影響

今回のSimilarwebのデータから見えてくるのは、「検索がなくなる」ということではありません。Google検索の中にもAI Overviewが入り、ChatGPTやGeminiなどの生成AIも情報探索に使われるようになり、ユーザーが企業を見つける入口が増えています。

そのため企業側では、検索順位だけを見るのではなく、AIで自社がどう説明されているかも確認し、AIや検索からサイトへ来た後の行動を見て、問い合わせや予約につながる情報を改善する運用へ広げていく必要があります。

AI対策を「AIに表示させること」だけで終わらせないことが重要です。

中小企業のサイト運営で、先にやること

新しいAI専用ページを大量に作る前に、まず現在の企業サイトを確認します。最初に、会社名、所在地、代表者、営業時間、対応地域、サービス内容などが、サイト内や関連サイトで食い違っていないか確認します。

次に、「地域密着」「高品質」「安心」といった抽象的な表現だけでなく、創業年、対応件数、専門資格、対応エリア、導入事例、メディア掲載、お客様の声など、AIも人も確認できる根拠情報を整理します。

さらに、単一キーワードの記事を増やすのではなく、実際の相談内容を想定します。「依頼する会社を選ぶときのポイントは?」「この条件でも対応してもらえる?」といった、意思決定につながる質問へ答える情報を増やします。

トップページも見直したい場所です。AIから企業名を知って来たユーザーが、「自分の相談に対応している会社なのか」をすぐ確認できる状態にします。最後に、ChatGPTだけでなく、Google AI Overview、Google AI Mode、Gemini、Claudeなどで、自社がどのように説明されているかを確認します。

制作会社と共有しておきたいこと

AIOは、記事制作だけで完結するものではありません。制作会社とは、サイトマップに重要ページが含まれているか、構造化データが適切か、会社情報がサイト内で統一されているか、古いページや重複URLが残っていないかを確認しておきたいところです。

AIや検索エンジンがページを正常に取得できるか、問い合わせ・予約などのコンバージョンを計測できているかも見ておきます。すでにサイト内に良い情報が存在していても、検索エンジンやAIが見つけにくい状態になっているケースがあります。

まず既存情報を確認し、それから不足している情報を追加する方が効率的です。

今後、どう変わる可能性があるか

Similarwebのデータを見る限り、生成AI市場はChatGPTだけが使われる状態から、複数のAIが利用される市場へ変化しています。また、ユーザーの質問も長くなり、AIが条件を整理しながら企業や商品を比較する機会が増えています。

今後は、「あるキーワードで何位か」だけではなく、「どのような質問をされたときに自社が候補になるか」「AIが自社をどのような会社として説明しているか」「AIで知ったユーザーが公式サイトで何を確認しているか」まで見る必要が出てくると考えられます。

一方で、AI検索の仕様や引用方法は現在も変化しています。特定のAIへの表示だけを目的にした対策ではなく、会社情報・実績・サービス・FAQ・比較情報・問い合わせ導線など、企業サイトそのものの情報を整えておくことが重要です。

この記事の結論

  • Similarwebの2026年データでは、生成AIプラットフォームへの月間Web訪問が前年比70%増加し、約95億回に達しています。
  • 利用先もChatGPTだけではなく、GeminiやClaudeへ広がっており、企業サイトは複数のAIでどう理解されるかを見ていく必要があります。
  • AI検索対策は特殊な裏技ではなく、会社の強み、実績、対応範囲、FAQ、専門情報を整理し、人にもAIにも理解しやすいサイトへ整えていくことから始まります。

このテーマを深掘りする

あわせて読みたいニュース

原典・参考情報

編集部下書き

ステータス:published

AI検索での表示や検索順位の上昇を保証するものではありません。公開前に原典、日付、表現を確認してください。

自社サイトがAIにどう見えているか確認しませんか?

AIOエージェントでは、企業サイトの強み・実績・FAQ・構造・AIでの見え方を確認し、AI検索時代に必要な情報整理と改善ポイントをご提案します。